今年の秋は最悪の穫れ目

 稔の秋、何とも心地よい言葉の響き、農家であるなら一年で一番楽しみな季節。
ところが今年は違う、稲の大農家が、「今まで契約していた米が渡せないのでので、米を分けてくれへんか?」と尋ね歩いているという。植え付の頃より、ウクライナとロシアの戦争により化学肥料が手に入らず、高騰の上に燃料の急激な上昇で悲鳴を上げていた。それに加えて夏の猛暑、水不足には逆水で救われたものの、お湯を田んぼに入れているような状況で、生育が心配された。案の定、枯れたようなちょん立ちの姿で、「みのるほど こうべをたるる 稲穂かな…」の姿には程遠く、楽しみ薄い秋となってしまっている。
 おまけに、その田んぼにウンカがついてしまった。ひどい集落では反収3俵という哀れな状況・・・こんなことは初めてだとがっくり肩を落とす。この被害は集団で発生するようで、比較的エリアが限定されつつ拡大していく。一年では収まりそうにない。

 以前議員をしていたころならば、議会で取り上げ支援を訴えていたものだが、今は痛みのわかる議員が身近にないことから、お手上げ状態。病気で動けない私に声かけてもらっても、苦しむだけ…どうしたらいいのだろう。後継者も自分で育てがんばっている農家に、ぜひ救いの手を差し伸べていただきたい。農家が、「冬を越せない…」の声を聴きとめて問題視してほしい。