人生

 私たち夫婦はすでに80歳を超えている。老化なんて他人事と思っていたのに、二人ともその真っただ中でおろおろしている。82歳の主人は、今、白内障の手術を受けた。初めは恐れていたが、いとも簡単だったようで一日一日、回復を楽しみにしている。2週間で両目が随分と回復するようで、結果が良ければ、私も…と欲が出る。でも、パーキンソンを患い毎日はぁはぁ言っている私に、その値打ちがあるだろうか…一時一時が耐え難かったころを思うと、小康を得ている今だからこそ、こんなぜいたくを言えるのだと感謝。
 朝のテレビで認知症の話を聞いた。他人事と思っていた私だが、先ほど置いたばかりのものの置き場所が、どうしても思い出せなかったり、…いよいよ他人事でなくなってきた。人生60年時代から、すでに80歳を超えている私たち、いろんな思いが交錯して、よく超えられたなぁ…とつくづく思う。思いっきり生きてきた。精一杯の努力はした…今どんなに体が老化しても、後悔することはない。面白い人生だったと自負できる。陰て一心に支えてくださった多くの方があったことを忘れてはならない。今主人と二人、ありがたかった人生だったね・・・としみじみ思い返している。 体が痛い痛いと今、50半ばの世盛りで、田植えに励んでいる息子達、体をいといながら燃える人生を歩んでほしい…と願う。先は長い、まだまだこれから…。