食欲の秋

 三度三度、時間を決めて食事をすることはとても大切…と知ってはいてもなかなか…いろいろ都合がありまして(本音は気ままなのですが、)
朝、あったかいみそ汁と漬物、そして温かな白いご飯… これが日によって食べたり食べなかったり。お昼は県庁でのお弁当… 少量のご飯と毎日ほとんど同じ内容のおかず、代わるのはお魚の一切れが、サンマになったりイワシになったり…安いんだから仕方ない。事務所に帰り着くなり、ごそごそと…もうすぐお夕飯なのに…パンに手が出る。そして、ほどなくお夕飯。

 私の小さいとき、また子育ての時代は、じいちゃんばぁちゃんも含めてみんなが揃って朝ごはん…が当たり前だった。しかし、今は全然、朝ごはんに揃うことはない。せめて主人と一緒に食べることができる日はいい方だ。朝早くに勤めや学校に出る子、夜遅く帰ってきて朝起きられない者、起き抜けに仕事に取り掛かる者。本当にまちまち。ま、それも仕方ないか…と納得させている。
でも、お夕飯だけは、できるだけ揃うように…と待っていてくれる。これはうれしいことだ。だが、現実は難しい。
大規模農家の我が家はまだ秋の取入れが終わっていない。毎晩延々と籾摺リ作業が続く。それが終わってからでないと家に帰ってこない。だから主は抜けたまま、また、週に2日、若世帯はビーチバレーに行く。看護師は夜勤が入る。もちろん、夜の会合も…

 そろって食事をすることがこんなにも困難な時代、これで普通なんだろうか? ちょっと首をかしげたくなる。でも、8人で暮らすなんてことは今の時代、大変な贅沢なのかもしれない。とにかく食事は、大勢でいただく方がぐんとおいしい。もうすぐお夕飯、据え膳でいただきます。