続く地震

 昨晩は寝る前に、「すわっ、…」という時のためにと、主人が履物を2足、縁側に並べた。縁側のガラス戸のカギも外して…  我が家の隠居は相当旧い、福井の地震も耐えているのだから、一気にという事はあるまい。だが、明治時代に「在所で一番大きな小屋」と自慢していた仕事場であるだけに相当ガタが来ている。近年ではシロアリも時折見かけ。大工さんに梁りを替えてもらった経緯もあるほどだ。だが、危険はわかっていても、愛着もある。煤竹で編んだ天井を見ながら、今頃こんなところに住んでいる人いないだろう…と思いながらも離れられないでいる。いまさら、大造作して後何年いられるかもわからないのに…との面倒くささが本音にある。

 子供のころ、夕焼けがやけに赤いと、「地震が起きるかも…」といったほど、よく揺れていた。隠居に一人いるときは、揺れたら、此処から逃げる…と子供ながらにも気にしていたものだ。勿論防空頭巾をかぶって…
空襲の遺物としての防空頭巾は、実に重宝だった。私達の小学生時代は、防寒頭巾として誰もが作ってもらっていた。

 今回の大阪北部地震で、ぐらっと来た途端に「逃げなきゃ」…と外に向かったまではよかったが、まったくの無防備、昔々の子供の方がずっと利口だったと思う。今朝になって、主人が履物がないという。・・・夕べ、裸足で逃げるわけにいかんから・・・と縁側に並べたやないの・・・そうやったそうやった・・・笑っていられない人々がたくさんおられる。今日も死者が一人増えた、悲しいかな、一人暮らしの高齢者が亡くなっておられるのが見つかったという。まだまだ増えるかもしれない…。雨が降りだした。今度の雨は大降りが心配されている。どうぞ大きな被害になりませんように…。