里芋

 今年の夏は雨が多かった。里芋が萎れることはなかった…。季節が来て…いも煮の秋。、土曜日、彦根シティマラソンの日・・・と思い込んでいたが、新聞を見て一日間違っていることに気付いた。午前中が突然空白に…。
選挙中、一度も畑に出ていなかったことを裏付けるように、屋敷畑であるのに草に埋もれている。

 そんな中で、ひときわ存在を誇示している里芋。食べたい…思いが沸き上がってきた。雨靴を履いてスコップを持って…。ぐっと踏み込んで堀り上げるとき、ボキッと勢い良い音とともに隆々とした子芋がいっぱい掘りあがった。一つ一つ子芋を放しながら、見事に育ったね…とほくそ笑んだものの、これってやはり夏場の土入れのお陰だな…と思うと、暑い日主人が土入れを入念にしてくれたことを思い出した。

 早速に料理、子芋が大きいと皮むきは楽。それでも時間をかけて皮をこそげ落とし・・・その昔、おおさむこさむ 芋と大根を炊いて食を…とうたいながら芋煮をしていた祖母のことを思い出し、今自分がその立場になっていることを可笑しく感じた。
大鍋でぐつぐつ…煮上がったころ、ちびが二人ワイワイ言いながらやってきた。「子芋いっぱい炊いておいたから持ち帰っていいよ」…ママは素直に、「ありがとう…」と喜んでいた。里芋の皮むきは大変なんだから…喜んで食べてくれる人がいれば粗末にならない…と、どっさり炊いた責任を感じた。こんなことをしていると、本当におばあちゃん…。ちびの二人からすれば。おおばあちゃん…なのだ。里芋を料理しながら、久しぶりに家族を感じた一日だった。