優しくなった

 私の足腰が弱くなってから、最近主人がやさしくなった。夏の間、屋敷畑に秋冬野菜を作付けするのに、スコップで掘り返し、えっちらおっちら耕し続けてきた。今、我ながらに、見事に育った白菜や大根等々、毎朝眺めるのが実に楽しみ…

 最近、明け方の冷え込みがきつくなった、靴下を温かいものに履き替えたり、長そでを持ち出したり、神経痛がきつく感じる。今までさほど気遣ってくれないでいた主人が、最近…温かにしてんとあかんぞ…とか、痛い日はあまり無理するな…とか、些細なものを運ぶにも、手を貸してくれるようになった。
お前とは会社が違うから・・・とあくまで自己責任のように言っていたのに、本当に不自由になってみると、優しさが身に染みる。私が気づかないでいたのかもしれない。助けを借りながら、もうしばらく、豆腐屋のおばさんを続けたいものだ。