燕の訪れ

 毎年この時期になると南の国からツバメが飛んでくる。今日、一つがいのツバメが羽根をばたつかせなから店にやってきた。ちょうど彼岸桜の咲き始めるころ、忘れることなくやってくる。可愛いものだ。

 ところが近年は巣をかけさせてもらえる家が少ないらしく、次第にその数が減ってきた。かく言うわが家も、本屋はシャットアウト、店は食品扱いで追い出し…なのにやってくる。軒ならいいよ…と声をかけているが、用心深くって軒下には巣をかけない。

 燕を狙う蛇、軒を流れる水路の両岸がコンクリートになってから、ほとんどその危険性はなくなっているのだが、代々継がれている習性なのだろう。また、カラスの存在も気にしているのか、屋外は一向に気に入ってくれないでいる。

 今年は特別の想いがある。今や新型コロナで世界中が恐怖のどん底、数は少なく、なったとはいえ、自然界を延々飛んでくるこの来訪者、どうぞ元気でこの後も来ておくれ…と心から歓迎する。、