地均急ピッチ

 頻繁に雨を繰り返していた今年の春、ここにきて久し振りにお天気が続いて田んぼが白く乾いてきた。大きなトラクターを持ち出して、各田んぼで地均作業が急ピッチで進められている。どの地域にあっても、農地の大規模化がすすめられ、今までの畦畔を取り除いて大きな区画に作り替えているのだが、本当に均一になっているのかはいまいち疑問だ。わずか3cmの差でも苗は沈んでしまうのだから…

 作業効率や生育の均等のためにも、適当な面積というものがあると私は思うのだが、今日では、大きいことはいいことだのようだ。1町分2町分一枚の圃場では、植え付け後の強風によって水が片方に流れ寄ってしまい、あまりよろしくないのだけれど、最近では、どこもかしこもでっかい田んぼばかり…。

 確かに田植えするにもコンバインで収穫するにも、効率はいい。追肥や消毒に対しても、常用の施肥機、ドローン消毒、等々中に入らなくってもできる。便利になったものだ。ところが。機械代に奉って、なかなか儲けを出すところまでいかない、人件費を生み出さない限り、ゆったりした農業経営とはならないたのだが、とかく機械化を頼りすぎている。一枚一枚念入りに顔色を窺っていたゆとりを懐かしく思う。…いろいろ思うところあっても、規模が大きくなり過ぎると心が失せてしまうような気がしてならないのは、昔人間であろうか。今度入学するらしい男の子と女の子が、きゃっきゃ飛び跳ねながら表通りを走っていった。明日は雨らしい…。、