春寒

一面の雪、毎年なら、2月の雪景色に何の不思議はなかったのだが、今年は全く違う。暮れまで雪のひとひらも落ちることなく一月も全く降らずに、三月の気温が続いていた。畑には白菜が花を出し、エンドウ豆も白い花をちらつかせて…せんざいの梅はすでに開花、これで実がつくのだろうか。

 やっとやる気を出して田んぼの冬作に、ブロッコリーの栽培を始めた孫、昨秋から熱心に仕事を進めてきたのだが、ガタガタ・・・一株20円という相場に、往年の経営者も、出せば出すだけ赤が出る。もうやめた…と嘆いておられる。我が家においても、正月から一日も出ようとはしないですっこんだままた。何度も辛酸舐めてきた私だって、気が気でない。だめだった・・・より、立ち直らせるには…と気が滅入る。

 人生なんて、七転び八起き、いつ運が向いてくるかは全くお先知れず、然し、今猛威を振るっている新型肺炎のせいで、まったくお手上げの観光業界のことを思えば、我々農家にはまだ食つなぐ源材料はある。異常気象や景気に右往左往する中に、鍛えられた強さを培ってほしい・・・と願っている。

 私の経験からこんな時、「他人さんはどう思ってみておられるだろう…売れない作物をいっぱい作って…笑われているんでないか…負けるもんか、まだまだ・・・」と、唇をかんでいた。大当たりはしなかったけど、其の後いい目を見た時も少しはあった。頑張れ…まだ若いんだから