大晦日

 いままで一年で一番長い日…と思ってきた。早朝から夜遅くまで、片づけ、掃除、料理、お飾り、…それでも夜になって未だ最後の拭き掃除。大晦日の主婦は、そうしたものだとばかり思ってきた。しかし、…

 大晦日の朝食は、家族揃ってぜんざいをいただくのが我が町内で西村の家風。しかし、起き出す時間がまちまち、家族揃っての朝の膳なんて…と言った若世代。もちろん、お父さんのあいさつもなかった。核家族時代になって、それぞれが仕事を持つとこうなるのか…と心細く感じる。

 お鏡モチをつかない家が多いと聞いてはいたが、本当に多いことに改めて驚いた。餅なんてそんなに食べないもん…と平気で話すのを聞く。神様に供える意味もなく、ただ正月のお飾りなのか・・・。反対に、餅をつきたくても年老いて、作ることができない家も多い。先祖に詫びながら…さぞかし家を出た子供たちは、さほど思っていないのだろう。日本の風土、一年のうち大晦日と元旦、大事なこの節をどう越えどう迎えるか、家族の中でも、ピリッと引き締まったひと時に、父親の一言は、やはり必要だと思う。

 令和の時代が、日本の心から離れていくのを寂しく感じる。我が家では、6升のお餅をついた。お飾り用。又お雑煮用、家から出た子供たちや、つくことのできなかった親戚へ…どうぞそれぞれにいいお正月をお迎えください。