異変

 今年の夏はことのほか暑かった。毎朝の仕事、豆腐製造のことだが、秋になっても新しい大豆の入荷はまだない。使っているものは29年産の近所の集落営農さん、の大豆。ちょうど9月の頃より豆腐のかたまり具合がおかしくなった。辛抱して使う豆の量を増やしたり工夫をしていたのだが、月が進むごとによろしくない。

 少し離れた地域の収穫感謝祭に、とりたての大豆で豆腐を作ってみんなで食べるんだ…と持ち込まれたものは、とてもいい出来栄えだったのだが…。いつも購入している集落営農さんは、「今年は思わしくないので…」と断りが来た。我が家の大豆も同様だ。大豆播種期水漬かりになった湖辺一帯。撒きなおしたのだが、てんでダメ。環境こだわりに取り組んでから、もう16年になるが、こんなことは初めてだ。だが、外国産大豆を使う気持ちはない。

 失敗作は畑の肥料にどんどん入れてきた。全くの有機肥料。朝から晴天、これ幸いにじゃがいもを起こした。秋いもなのに、今までに収穫したことのない大きな馬鈴薯、腐っていた気持ちも少しは浮かばれたように思う。