物々交換

 各地にある直売所に出入りするようになっておよそ20年を超える。イチゴを出荷していた頃も。メロンやトマト、法連想・・・面白かった。そこでたくさんの友達ができた。そんなお付き合いの方々と出逢うと、「残り物だけど・・・」とその人の作っておられるものをいただくことがある。今日はトマト、昨日は菊の花…うれしいものだ。勿論こちらのお返しは豆腐・・・お互いに前日の売れ残ったものをこんな形で処分しながら、重宝している機会だ。

 そんな中で、「木綿豆腐」作ってよ…という声が届いた。夏の間は、冷やっこが主流で、木綿の売れが悪かったものだからついついご無沙汰になっていたのだが、豆腐の栄養価値という記事が目に留まるようになると、木綿とキヌの違いについて、豆乳をそのまま固めたものがキヌ豆腐、水分をある程度搾り取ってかためたものが木綿豆腐…との説明から、木綿の方が栄養価が幾分高い…と理解されているらしい。

 とはいうものの、私は『八杯豆腐頃』が一番好き。行事食で、我々の土地ではお葬式には欠かせなかったもてなし。それにかかわらず八切れにするから八杯ともいうらしい。昆布を敷いて大きく切った塊のまま豆腐を並べ、たっぷりの砂糖とお醤油でコトコト、コトコト、カラシを乗っけてフーフーいいながらいただく、ただし、この豆腐は木綿にこだわるところも、キヌでいい所も…結局どっちでもいい、おいしければ…という事らしい。

 もうすぐ執行される稲枝での戦没者慰霊祭の追悼文を四苦八苦しながら作った。一年一年お詣りする側の高齢化が目立つ。だが、準備作業は若い責任役員さんが協力的なのは、本当にありがたい。今年も皆さんのお力を得て11月10日に執行予定。