初々しい大津駅

4月に入って初めて県庁に行った。滋賀の桜も、北から南に開化の度合いが一目でわかる。愛知川の堤防の桜、まだまだ硬い、田んぼの中にまっすぐに並ぶ桜並木、八幡の辺り、ぼんやりとつぼみの色がかすんでいるがまだ白っぽくはない。野洲まで来ると一気に変わる。大津、県庁の周りは既に満開だった。

 桜と一緒に人々の目に初々しさが止まる新調の背広姿、女性も黒のスーツ、中の白い襟がいかにも新鮮。新しい職場で緊張の連続だとは思うが、見ている側からすれば、だらけたミーちゃんはーちゃんのこれ見よがしの服装とは比べ物にならない信頼感を抱く。日本、捨てたもんじゃない…嬉しくなった。

 四月になると田舎では、もうすぐの春祭り、そそくさと準備が始まる。今では若い衆制度はなくなったけれど、祭り本日の半月ぐらい前から鐘・太鼓の練習が始まる。勿論勢いづけにお酒が湯呑茶碗で…夜、炬燵がもうしばらく抜けられないものの、鐘や太鼓の音が聞こえてくるとどこか浮き立つ。

 しかし、祭り囃子を今まで一手に引き受けて横笛を吹いてきてくださった90歳の方が、「もう、笛が鳴らんようになった。若い人に伝えようと思うのだが、楽譜がない。誰か作ってくれる人知らんか?」と問いかけてこられた。じゃ、テープに吹き込んで…と思ったのだが、それができないのだ。聞き覚えた旋律を口ずさんで、それで譜面を作っていただける方、どうぞ協力お願いします。土地の文化をつないでいくために…。