おばあちゃん車

 事務所に大きなお届けが来た。おばあちゃんたちが押しておられる車2台。つい先日、私の母が使っていた手押し車を畑で使っているのを見た親戚から、「おばさん、その車歪んでるやないか、これやったら、うちの母が使っていたものがもっといい形で残してあるから、持ってくるわ、使って…」と言っていてくれた遺品だ。

 歩くのが不自由になってから、母が使っていた旧いものを出して使っていたが歪んでしまっていて、まっすく前に進まない。畑で野菜を積んだりするのでなおさらにへし歪んでしまっていた。有難いことだ。
ついに、これに頼らなければならなくなったか…と寂しくもあるが、これがあればまだまだ働ける。新しいまま使わずに亡くなったお姉さんは、さぞつらかっただろうに…と考えながら、これからの畑が楽しみになった。
毎日歪んでうまく動かない手押し車を見ていた主人が、77歳のプゼントに買ってやる…なんて言っていたけど、その必要はなくなった。本来の持ち主のお姉さんの分まで、しっかりと使わせていただこうと思っている。何年お世話になれるだろうか、明日からが楽しみ…。