長農稲枝会

 戦後、農家の跡取りは長農(長浜農業高校)に行くものと相場が決まっていた。だから、非農家でない限り、進学は迷うことなく長子は長浜に行った。懐かしい時代だ。その後、分家するものは就職に便利なように八幡商業とか普通高校とか…男子の進路は凡そその通りだった。だから、稲枝には長浜農業出身者はわんさといた。

 同窓生は、地域で結構羽振りを利かしていて、随分と昔から、稲枝会という同窓会を作り、毎年10月3日に日を決めて、恩師を招きながらの懇親会を開いてこられた。今年も今日がその日だ。お迎えの日程表を見る限り10人余、随分寂しくなったものだ。亡くなられた方もおいでではあるが、「残念ながら、体調よろしくなく…」というのがほとんど。

 寂しくなったなあ・・・と主人はぼやきながらも、いそいそ・・・参加される最高齢者は83歳、会の終わりには肩を組み校歌を歌って意気揚々だそうな。今も長浜農業高校はあるわけで、決して同窓生がないわけではない。プライドを持つ若者が少なくなっているのだろう。これも時代の変遷。寂しくなったなあ…とも思うが、農村にはなくてはならない存在であることに自信を持ってほしい…と若者に期待する。