私の子供のころの夏

 暑い暑い夏休み…夏は暑いものと決まっているけれど、こんなにも暑いとは・・・、昔はどうだったんだろう。夏休みの記憶をたどってみると、小学・中学は朝のラジオ体操に続いて、まず午前中は「夏の友」、まじめに取り組んだ。「夏の友」は夏休みの最初5日ぐらいですべて終了。もうすることない…。大好きな絵を毎日書いた。白い紙なんてあるはずがなく、新聞紙を4つ切りにしたものをノートの様に綴って・・・。クレパスも、色がわからなくなるほどの短いものまで小さな箱に入れて外見はこすれて全部真っ黒…

 工作も、空き箱を使って水族館を作ったり、でも、本物の水族館にはついぞ行ったことはなかった。母親の尼台から針と糸を持ち出し、何かの本に書いてあるそのままに信じ込んで真似して作り上げた。お昼が済むと家族は皆昼寝…井戸に浮いているスイカが気になって寝られない。2時頃になるとお待ちかねのスイカを塩をつけながらみんなで食べた。おいしかった…今のアイスクリームのようなものは、ついぞ見たこともなかった。時々、自転車でアイスキャンデー売りが来るには来たけれど、買ってもらったことはなかった。

そんな時代、私たちは、大きくなったら、うんと頑張って瓦葺の家に住み、ナスやカボチャだけでなく、ちくわがうんと食べられるよう…と、今から思えばなんて望みだったのかと悲しくなる。牛肉?なんて無く、ごちそうはかしわ・・・それも家で飼っていた鶏。

 こんな暮らし、いま絵本にしたら結構面白い。今の子供たちに信じてもらえるかどうかわからないけれど。少なくとも今話題のアニメに夢中の若者年代に、そう遠くない昭和20年代の暮らし、知っていてほしい…。何もかもほしいものが手に入る現在、欲にきりはないけれど、足るを知り公徳心を上げられる暮らしを心掛けていただきたいと思うのです。