ひとり生えの南京

台風が抜けると嘘のように晴れた。真夏の太陽が湿った地面に照りつけ、むしむしとした厚さを噴き上げる感じだ。
家の前に屋敷畑がある。今だと夏野菜が主人顔で茂っているが、中でも、カボチャがすごい。これは植えたものでなく、昨年度の食べ残りをゴミ捨て場に放っておいたもの。いわば一人生え。堆肥場の肥料を吸い上げていることは認めるが、何ともその生育の旺盛なことこの上なし…。

 畑の域をすでに通り越し、屋敷内の3mぐらいの通路をすでに超え、物置小屋の中にまで入ってきた。あまりにも勢いが強いので、どこまで伸びるか興味がわいた。ざっと10mぐらい。絶やすには根っこは一つ、切ればいいだけのことだから、伸びるとこまで伸ばしてやろう…。、たった一株であるけれど、
    一晩に 一尺伸びるか かぼちゃツル、
何個出来るか?でなく、どれだけ伸びるか…何とも平和な観察である。