朝から雨

 油揚げを作る日は朝が早い。日の変わる頃先ず主人が起き出す。半時間ぐらいして私のケータイに呼び出しがかかる。仕事にかかってまず1時間、豆乳を型に治めてから固まる間、私はまた家に…布団の中にもぐって約1時間。次の呼び出しがかかって今度は絹豆腐の整形とパック詰め。

 次に油揚用の豆乳を型に入れて1時間。もう一度布団に戻る。時計は2時を回ったところ…おや、早くもまた雨が降ってきた。
3時過ぎ、3度目の呼び出しが鳴る。次の出番は、固まった上げ用の豆腐を薄い長方形に切りそろえていく。冷たい水の中で…ざっと220枚、板に並べて水きり…  私の仕事はここまで、その頃中日新聞と毎日新聞、農業新聞、近江同盟・・・・と、届いた新聞に目を通す。毎日の配達員さんは、元気良く入り口を開けて「おはようございます。!」と声をかけてくださる。、

 豆腐の水切りが終わるまで30分程度、足湯器に足をつけ、新聞を広げる。私はこの時間に毎日の「朝から数独」をするのが楽しみで、この時間内にすっと解けると、今日一日が何事もうまくいくようなげんを担ぐ。

 豆腐屋なんて早朝から、さほどの稼ぎでもないのに…と思わるだろうが、さほどの稼ぎでないからこそ、年寄りの健康法、ささやかな充実感を覚えている。雨がじゃあじゃあと降ってきた。もうすぐ節分というのに・・・・日中は確定申告の帳簿整理に手を付けた。