やっと降りました

 待っていた雨です。水不足で今少し勢いの乗らなかった野菜類が息を吹き返したように天に向かっています。小さなツルが杖を求めてつんつん…やはり自然の雨は違います。田んぼの緑も水中に空気が入るからでしょうか、一枚一枚の葉っぱの広がりが格段です。

 田植えの作業で毎日真っ黒になっていた息子が、散髪に…ずいぶん若くなって戻ってきました。短く切ると元気で若やいで見えます。手入れさへすれば、結構な顔なのに…農家の若者は、この見映えだけでも他の職業に比べてマイナスイメージが多い。後継者に独身が多いというのも、かわいそうな気がします。しかし、雨が降れば休みの取れる営農形態に変わってきました。使われ人でないだけに、すべての責任は自分がおっていかねばなりませんが、それなりの充実感はあります。若い夫婦が揃って農業をするのは望ましいですが、全く違う職業について頑張っておられる例もあります。

 夕方、高校の娘を乗せて二人が笑いながら軽トラから降りました。(雨が降っていたから朝は駅まで送ってもらっていたのでしょう。)黒いお父ちゃんイヤ…ともいわずにうれしそうに話している姿を見て、農家の娘として素直に育つているな…と感じています。こんな姿は、遠隔地に勤めている方には考えられない姿でしょう。農家も、「忙中閑あり…」人間らしい暮らしのできるようになったことをほっとした思いで有難く思っています。