夜桜

 きれいだった。すごーくきれい、満開の桜は箒で掃いたように、一面に広がってお堀を埋めていた。その上に小さく天守閣…。ライトアップされた堀端には、沢山の花見客が「うわぁー」っと感嘆の声を上げ見惚れていた。そしてしばらく、・・・思い出したようにシャッターを切る。

 遅れた満開に追い打ちをかけて雨、人々はこの時を待っていたのだろう。渋滞はものともせず、夜遅くにかけても人の影は消えなかった。
昨晩、彦根クラブの花見会がいろは松隣のキャッスルホテルで開催され、佐竹事務局女子の名司会にうっとりする中、ライトアップされた彦根城を取り巻く桜の全景が゛窓に広がった。毎年、この時期に合わせての集いは、唯一の花見会として楽しみにしている。夜桜見物は寒いもの・・・と定番だが、ホテルの窓からはお酒も入りこれに勝るもの無しの存在。

 しかし、今回は市長選挙間近・・・ということで現職も挑戦者も同会場に顔をそろえ、取り巻きもそれぞれに複雑。思惑が交差し、本来の桜が心行くまで・・・とはその会場内ではいかなかった。お酒の頂けない私は、少し早めに退席し、渋滞を避けて遠回りで夜道を帰った。(その実、陣営伺い、いずこもすでに消灯されていた。)山にも桜が咲くと夜遅くとも通る車もあって、イノシシにも出会わず帰ることができた。