誕生日

 9月25日、一年に一度、重ねて73回目の誕生日です。農家、それも大百姓でずっと暮らしてきました。主人は勤め人でしたので、農業のやくりは鍬頭として気持ちばかりがいつも競っていた。
そのせいだろう…9月25日は秋の取入れ真っ最中。一年として暇な年はなかった。雨が降っても乾燥・籾摺り…が待っている。毎年夜は10時・11時…作業場でコメの袋詰め

 そんな日暮らしの中では、誕生日を思い出すときはすでに9月も終わっていた。ふと思う、母は私の誕生日、覚えていただろうか…母を一番苦しめた日、…きっと知っていたと思う。私が母になって子供の誕生日は、やはり一人一人思い出して、いくつになったかなぁ…と顔を思い浮かべている。
 誕生日、母に「ありがとう…」といった年は一度もなかった。亡くなってから、言っとけばよかった…と何度か思う。今夜お参りした時には、心込めてありがとう…と言おう。母の73歳、もっと頑張って働いていたように思う。それも私を助けるために… おかげで、農業やってきました…といえる今がいただけた。たくさんの方に、≪おめでとう…≫の言葉をいただいて改めて感謝です。