座興の演じ方

 毎年ご案内いただくある町の敬老会、いつもいつも厳粛に服装を正して…至れり尽くせり。舞台を背にして着席、緊張した司会さんの勧めによりセレモニーは開始。来賓お歴々の祝辞が延々。乾杯の発声でさぁ宴会のはじまり・・・で、座がふっーと和むのが普通なのだが、そのまま座興に入った。12時の時報はすでに流れている。

 もうみんなお腹空き空きなんだろう。ごちそうのパックをそれぞれに…そしてビール・お酒一斉に給仕人さんが出られて一気に会場は賑やかになった。
本日の座興は、女性二人による腹話術と浪曲手品…さらに高齢社会を生き生き楽しく生き抜くための福祉講座? …静かにそれだけに耳を傾けるのなら見応えのあるものだったが、お酒の入った席では会場の声の方が格段な大きく、演じる人の思いが届かない。また、耳を澄まし、しっかり見なければわからない手品にあっては結構疲れるものだ。真剣に演じていただいているだけに申し訳ない思いがした。

 会場を辞するときに、演者の方にお出会いして、酒宴と切り離して聞くことができたら、もっと喜んでいただけただろうに…と声をかけると、≪それは仕方ない。覚悟してました。・・・≫楽しんでいただこうと企画された催しであったが、少し残念でした。老人は集中力がかけます。増して、視力も聴力も弱くなって…単純に楽しめる工夫をお願いします…。お馴染みのお顔にたくさん出会えて、ごちそうさまでした。聞き取りにくい雑談の大きな声の中ですが、ここだからこそ聞けるいろいろの意見、本音が聞ける貴重な場でした。