何にも知らずに…

 月例報告会、午後3時30分。毎月のように行った。玄関に革靴が並んでいる。遅かったのかな? と思いながらいつものように「こんにちわー」と声を大きくした。上がりとから障子越しに仏壇に手を合わせた。黒の背広が並んでいる…それでも何にも思わなかった。集落か隣組の会合でも開いておられるのか…いぐらいに考えて二階に上がった。

しばらくして制服をきちっと身につけた中学生男子を連れてこられた。「会えてよかった…。この子。ここの孫です。去年北方領土作文で先生から表彰を受けた山本です。・・・」「県で円盤投げ1番でした。頑張ります…」元気よく話した顔は何ともりりしく感じた。(滋賀国体での活躍、楽しみです。)今日は、ここの主さんの一周忌、縁あるものが集まって法事を営んでいます。との説明を聞いて、そんな大切な日なのに、どうぞどうぞと会場を提供していただく。ありがたいことだった。

 私はこのご主人とは2回しかお出会いしていない。「私はもう二階には上がれないから、話は聞けない。どうぞ気兼ねなく皆さんで話し合ってください…」元教育者だったという。帰り、≪誰もいなくなっても使っていただけるのを喜んでいたのですから、これからもよろしく・・・≫とボットマムとおさがりまでいただいた。いろんな人のお世話になって今日の私がいることを有り難く知った一日、無事に多賀での報告会終わりました。